前書きは省略します。

最近、といってもまだ半年経ってないので最近の話なのですが、メインイヤホンを変えました。
それに従ってアンプカードを再び取り替えまして、まぁかなりはっきりとした違いが確認できたと感じたところから今回その違いについて触れていきたいと思います。

なお、使用イヤホンはIE800からDita Dreamへと変わりました。

アンプカードに関係がある辺りに集中して各イヤホンの特徴を述べますと、
IE800はDAP及びアンプと相性が存在し、音のバランスが崩れる事がある
Dita Dreamは鳴らしづらく、鳴らしきれないと高域に歪みが生じる

これらに基づいて、各アンプカードの傾向と考察について書いていきたいと思います。
なお、DAP側のゲインスイッチはHigh、スイッチはHDです。(Elfidelityはスイッチ反映されないのですが、念のため)
試聴はDita Dreamを基準にして行っています。理由は後述。


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Musical Amp Card
駆動力がかなりあります。自分は所持していませんが、展示機で確認した限り、SennheiserのHD800がちゃんと鳴らしきれている音になります。(ただし流石にフルボリュームですが)
駆動力の賜物か、楽曲の音数が増えてもDita Dreamの高域が歪まないのが大きなメリットです。

音自体の傾向としては、低域に独特の密度感があります。言葉で説明するのがかなり難しいのですが、むっちりとした低域です。駆動力が高い点が効いているのではと個人的には思っていますが、例えるとしたらQP1Rの弾力のある低域感に若干近い印象です。
音の距離感は低域から中域、高域へと離れていく印象です。特に特定の帯域が近いという事はないです。
音のレスポンスはそれなりに早め、早めのテンポの曲に相性が良いです。
基本的には全域フラット、強いて言うならば中域がやや少なく、低域に前述の特徴があるので早い曲への相性はそのためだと思います。
逆に特定の帯域の強調が無いので面白みがないと感じる場合があるかもしれません。
細かい音がとにかくよく聞こえます。分析的にそれぞれの音を追う聴き方には向いていると思います。

デメリットとしては電池の持ちの悪さです。とにかくめちゃめちゃ電池持ちが悪くなります。
大体4時間くらいですかね…普通のアンプカードは短くても6時間以上は持つのですが…これに限っては本当に電池持ちは悪いです。
実はもう一つ問題点があるのですが、これは後述します。(考察に入れたいので)

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Elfidelity Full-Balanced Amp Card
ディスコンになっているので正式名称(特に大文字かどうか等)か怪しい部分がありますが、まぁあんまり気にしないで頂けると…

駆動力はそれなりです。といってもHifimanのDAPは駆動力が高めなものが多いので、他のDAPと比較するとやや高めと言って良いかと思います。こちらはHD800は鳴るものの、駆動出来てはいない印象でした。
自分がアンプカードを再び取り替えたのも、この駆動力の点で、Dita Dreamにおいては音数が多い早いテンポの曲で女性ボーカルの上の方等で歪みを感じたのが理由です。また、早い曲に低域のレスポンスが追いついていないのか、低域の分離が悪いと感じたというのもあります。
(早い曲と言ってもテンポが早い曲全てでは無く、音数による影響が大きいと考えています。
具体例としてはFictionJunctionのstone cold等です。良い曲なのでどうぞ(ここでそれを言うのもアレですが)


また、逆にゆったりした曲において自分が知る限りではこの現象は全く感じられません。
 )

といってもあくまで使用イヤホンの駆動力が問題の根幹であって、このアンプカードに罪は無いのですが…

音自体の傾向としては、一聴してわかる音のクリア感が最大の特徴かと思います。全域に渡ってクリア感があり、分かりやすいHifiな音だと感じます。
また、中域が近めであり、ボーカルがかなり近くに来ます。イメージとしてはホールでのボーカル曲のような印象です、曲によってはっきりとした得手不得手は基本的には無いものの、そうした感じの曲にとても合います。
音のレスポンスは普通、もしくは若干遅めです。(ゆったりとしているという意味で)
また、ボーカルを中心として聴く聴き方をされる場合にはとても向いていると思います。
逆に、分析的な聴き方をしようとした場合、ボーカルが邪魔()で後ろの音が追いづらい為、聴き方次第ではあるかと思います。

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ある意味ここからが本題です。(といっても大した話では無いですが)
自分は当初Musical Amp Card(以下Musical)を使っていたのですが、IE800下ではボーカルがややハイ上がりになり、腰高な音になる点と高域がキンキンする点が耐えられなかった事からElfidelity Full-balanced Amp Card(以下Elf)を購入し、中域が近くなる点が気になりながらも、音のクリア感から大した不満も無く使用していました。
しかし、Dita Dreamを購入してから、駆動力の点からMusicalへとまた戻る事になりました。Musicalに戻った後、Musicalが実は特徴の塊のようなアンプでは無かったという事に気づいた、という話です。
IE800においては高域がしばしばややBAのようと称される硬めの音になっており、それが増幅された事でMusicalの印象がかなり変わってしまったのではと考えたわけです。
ここでアンプの音比較の難しさ、というところに自分は至ったのですが、結論から言うと、イヤホンによってアンプの印象は良くも悪くもなり得ると言いたいわけでして,今回はたまたまイヤホンが変わったことによりそのことに気づき、比較をやり直したという事でもあるわけです。
したがって、今回のアンプカードの比較はあくまで自分がより本来の音だと考えるものに基づいて行っている為、人によっては勿論違う感想を抱く可能性はあります。
自分としてはあくまでDita Dreamを用いた音質比較のほうが本来の音質であると考えた為、今回はこちらを基準にして感想を書いた次第です。

したがって、それを踏まえた上では今回の場合、おそらくElfが多くのイヤホンには合いやすいアンプカードでは無いかと思いました。
Musicalは自分の中で良いアンプカードではあったのですが、イヤホンにより変化が大きすぎるというのが今回の結論です。(まぁ2種類しか比較してないのでこれで決めるのも評価としてはどうかとおもうのですが。)


ただ貴方がDita Dreamのようなイヤホンを手にした時、もしかしたら駆動力が足りていないのかもしれないと思った時、アンプカードとしてMusicalを勧めたい、自分はそう思います。